地域でがんサロン~CancerおしゃべりCafe~

会える距離=地域。がん患者さんの生活を地域で一緒に考えてもらえるような活動を

水戸部ゆうこさん
がんサロンCancerおしゃべりCafe代表

会える距離=地域で「ささえあい(ピアサポート)」を目的とした集いの場「地域でがんサロン~CancerおしゃべりCafé」を主宰。小平市内施設、千代田区の銭湯で月ごとに交互開催。年に一度がん情報のアップデートの機会としてセミナーを開催。 


「地域とつながる」第五回目は西東京市のお隣、小平市で「地域でがんサロン~CancerおしゃべりCafé~」を主宰する水戸部ゆうこさんです。同じ北多摩地域で積極的にがんの啓発活動をされている素敵な女性です。小平市で開催されているがんサロンやご自身についてお話を伺いました。

ー水戸部さんは小平市と千代田区でがんサロンを開催されていますが、どのような活動をされているのでしょうか。
水戸部:2022年から地元の小平市と職場のある千代田区で地域サロンを月ごとに交互開催しています。小平市では眺めのよいカフェをお借りして、一方千代田区は銭湯を会場に開催しています。がんの患者さんやそのご家族が集まって、周囲に気兼ねなく、がんの話をしたり、情報交換したり、互いの存在に勇気をもらったりする会です。

ーどのような方が参加されていますか。
水戸部:がん患者さんやそのご家族です。がん治療が始まったばかりの方は治療の見通しが立たず、先々のご心配から情報を求めにいらっしゃる方がいます。また、この回の雰囲気を気に入ってくださる常連さんもいらっしゃいます。

ー水戸部さんがこの活動を始めたきっかけを教えてください。
水戸部:2021年に仲良くしていたがんの友人が30代で亡くなったことが大きいです。彼女の生活を間近に見ながら、まだまだ社会全体にがんの正しい知識がないことで、弱っている人、困っている人への支援が少ないこと、がんに対する偏見もあることを感じました。私自身、子どもの学校で開催されたがん教育に対して、当事者として違和感を持ちました。それもあり、これは自分がカミングアウトしないと伝わらないと思い、「こういう人もいるんだ」と伝えるために活動を始めました。持ち前の正義感もあったかもしれません(笑)まさか、自分のことをこんなふうにカミングアウトするなんて思ってもおらず、がんという大きな病気をすることで自分の新しい面が見え、自分でも驚いています。

銭湯でがんサロン(千代田区の稲荷湯にて)

「話せる場」と社会への「働きかけ」はセットで必要

ー治療中の子育てで困りごとはありますか。
水戸部:2018年に肺腺がんのステージIV期と告げられ、当時我が子は小学5年生と2年生でした。まだまだ手がかかる子どもたちを体力の低下とともに、どうやって育てたらいいのかと悩み、周囲のお母さんと同じようにできないことに引け目を感じました。子育て支援や家計支援となる制度を色々と検討しましたが、少しでも基準からはずれると使用することができず、結局使える制度がありませんでした。困っている人のための制度のはずなのに、使えないことはとても残念でした。同じような悩みを持つ方のためにも、がんサロンのような「話せる場」と地域社会への「働きかけ」がセットで必要だと思いました。
生存率の低い私のがんですが、抗がん剤のおかげで7年目に入り、現在は子どもたちが高校生・中学生となり、助けてくれます。

ー「地域でつながる」みなさんへメッセージをお願いします。 
水戸部:病気、障害、災害、育児、老化…。人にはさまざまな困難がやってきますが、近くにいる人同士がささえあったり、笑いあい、おしゃべりすることで、解決したり、気持ちがスッキリすることがあると思います。私だけじゃない、と思えることや、気持ちや生活の工夫のヒントになれるよう、自分らしく生きることを大切に考えながら、このサロンを続けていきたいです。

北多摩地域にはいろんなタイプのがんサロン、患者会があります。行きやすさや雰囲気など、その時々の気分に合わせて参加してみると新しい出会いや気づきがあるかもしれません。これからも地域のがんサロン、患者会を順次紹介していきますので、お楽しみに。

お問い合わせ

地域でがんサロン~CancerおしゃべりCafe~
メール:cancercafe2022@gmail.com
ホームページ:https://sites.google.com/view/cancerosyabericafe/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0



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