がんピアサポート基礎講座を開催しました

地域でピアサポートに携わる人を増やし、支え合いの文化を根付かせたい――。
そんな思いから、8月10日(日)に「がんピアサポート基礎講座」を開催しました。
定員を上回る多くの方にお申し込みいただき、悪天候にもかかわらず、32名の方にご参加いただきました。
ご参加くださった皆さまに心より感謝申し上げます。


第一部:講演で学ぶピアサポートの力

第一部では、地域で長年にわたり緩和ケア医療に取り組まれている
東久留米なごみ内科診療所 高世秀仁先生より、
がん患者さんが抱える身体的・精神的なつらさ、そして治療やその後の生活の中で「仲間(ピア)」の存在が回復の力になることをお話いただきました。

続いて、NPO法人支えあう会「α」理事長 野田真由美さんより、
ピアサポートの基本、ピアサポーターにできること、そして配慮すべきことなどを、実例を交えながらわかりやすくお話いただきました。

参加者は、がん経験者やご家族のほかにも医療従事者、福祉関係者、行政の方など、地域のネットワークを担う方々が参加してくださり、熱心に聴いてくださってるお姿が印象的でした。


第二部:体験ワークショップ

第二部は野田さんによる体験ワークショップ。
時間の都合で10名に限定し、「自分の経験を3分で話す」というワークに挑戦しました。
これは、ピアサポーターとして寄り添う際に「あなたはどうでしたか?」と問われたとき、経験を整理し伝える力を養うためのもの。
時間と格闘しながらも一生懸命話してくださった一人ひとりの言葉には、深い想いと経験が込められていました。

その後、参加者とスタッフが混ざって2グループに分かれ、模擬サロンを実施。
ファシリテーター役がテーマを決め、15分のセッションを交代制で2回行い、より実践的なピアサポートを体験しました。

広がるつながりとこれから

最後に、すでにピアサポート活動をされている方にマイクを回し、活動紹介をしていただきました。
終了後「まずはこの会で知り合った方の活動に参加してみたい」と話してくださる方もおり、今回の会がピアサポートのはじめの一歩になることを嬉しく感じました。

がんの治療中は病院とのつながりがあり、相談しやすい環境にありますが、治療が終わると地域の中で孤独を感じる方も少なくありません。
生活の場でのピアサポートは、少しの知識と配慮があれば、安心・安全な場を作ることができますが、
そのためには、ピアサポーターだけでなく、行政や地域の医療・福祉との連携も欠かせません。

ひとりひとりにできることは限られていますが、立場を超えてゆるやかにつながることで、地域に安心安全なピアサポートの場ができることを願っています。

             ワークショップに参加された皆さんと記念撮影

今回の「がんピアサポート基礎講座」は公益財団法人日本対がん協会の2025年度がんアドボケート活動助成を活用して運営しました。企画から運営まで伴走支援もしていただき感謝申し上げます。

なお、高世先生のご講演「地域で広げるがんピアサポートの力」は、後日カラフルリボンのホームページでアーカイブ配信予定です。
準備が整いましたらお知らせしますので、ぜひご覧ください。

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