円卓会議「男性がんサバイバーの地域でのつながり方」に参加しました
2026年3月8日(日)、西東京市で開催された円卓会議「男性がんサバイバーの地域でのつながり方」(主催:西東京市民協働推進センターゆめこらぼ)に参加させていただきました。

私はがんの当事者であり、地域でがんを経験した女性のコミュニティを運営している立場としてお声がけいただきました。
当日の参加者は、地域の在宅診療・在宅緩和ケアを担う医師、ホスピス勤務経験のある緩和ケア医、男性がん当事者で市内在勤の方、市内の病院で働くがん病態栄養専門管理栄養士、そしてファシリテーターはまちづくりの専門家。医療、当事者、まちづくりと、それぞれ異なる立場の人たちが同じテーブルを囲む、とてもユニークな顔ぶれ。一見すると、それぞれの活動は別の場所で行われているように見えます。しかし自己紹介を聞き合ううちに、「同じ地域で暮らしている」という共通点が見えてきて、私はすでにワクワクが止まりませんでした。
キーワードは「つながり」
議論が進むにつれて、会議の焦点は徐々に絞られていきました。
その中で浮かび上がってきたキーワードが「つながり」と「リンクワーカー」です。
がんと向き合う人が地域の中で孤立しないために、誰がどのように人と人をつないでいくのか。
どんな役割や仕組みがあれば、必要な人が必要な場所につながれるのか。
「それは誰が担うのか」
「地域の中でどんなことができるのか」
こうした具体的な対話が生まれたことは、この円卓会議の大きな成果だったと感じています。休憩を挟みながら約4時間。とても密度の濃い時間でした。
当日は市民の方々も参観者として参加されており、途中で気になったことや感じたことを付箋に書き出し、後半ではその意見も交えながら対話が進みました。
さらに印象的だったのが「グラフィックレコーディング」という手法です。議論の内容がその場で大きな紙に絵と言葉で描かれていき、対話の流れが一目で見える形になります。見ているだけでも楽しく、初めての体験でした。こんな感じです!

今回、何よりうれしく感じたことがあります。
それは「がんサバイバー」という存在を特別な人として扱うのではなく、「誰にでも起こりうること」として自然に共有できたことです。がんという病気だけを切り取るのではなく、
その人が「何をしたいのか」
「どのように生きたいのか」
このテーマは「男性がんサバイバー」に限った話ではありません。がんを経験した人だけの問題でもありません。地域で暮らす、すべての人に関わるテーマだと思います。
そして、その対話が単なる意見交換で終わるのではなく、これから具体的な形として動き出しそうな予感を感じられたことが、今回の大きな希望でした。
この円卓会議の担当者の方は、「がん」をテーマにしたイベントは今回が初めてだったそうです。それでも企画当初から多くのことを学びながら準備を進めてくださり、わずか半年でこれほど充実した対話の場を実現してくださいました。心から感謝しています。
実はこの日、西東京市内では同じ時間帯にもう二つ、興味深いイベントが開催されていました。
一つはだがしの日「子ども縁日」。田無神社と総持寺で行われた、子どもたちのための地域イベントです。もう一つは、ACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)と在宅療養をテーマにした講演会「住み慣れた家で最後まで自分らしく」。
子育て中にがんと診断されたママたちを支援する私たちにとって、どちらも気になるイベントです。見方を変えれば、この日は「地域で暮らすこと」「地域でつながること」を市内のさまざまな場所から発信していた一日だったとも言えるかもしれません。
西東京市には、がん診療連携拠点病院がありません。円卓会議でもその点は何度か話題になりました。しかし、だからこそ在宅療養や緩和ケアなど、「地域で生きること」を支える取り組みが育っている地域でもあります。
さらに視野を少し広げれば、近隣にはホスピス病床を多数持つ病院やがん診療拠点病院もあります。地域同士がうまくつながり、生活圏の中でさまざまな支えにアクセスできるようになれば、がんになっても誰一人取り残さない地域社会に近づくはずです。
そんな希望を胸に、会場を後にしました。


